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5 試運転結果

新LA34形機関はマッチング試験も含め250hの運転を行い、各種試験項目の確認をいたしました。その結果は開発目的を充分に満足するものでした。図3に機関性能曲線を示します。100%負荷の性能は燃料消費率185g/kW・h、排気温度はシリンダカバー出口338℃、過給機入口458℃と非常に良好な値でした。

 

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図3 性能曲線

 

図4にNOx計測値を示します。IMOによるNOx排出規制が2000年1月より実施されます。当社では永年試験、研究してきた技術をこの機関にも取り入れ、燃費の悪化なしに規制値をクリアしました。

 

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図4 NOx計測値

 

その他実施した試験内容

○機関構造物の応力計測

○機関振動、機関騒音計測

○シリンダカバーの応力、変形計測

○油圧動弁作動確認試験

○50時間耐久運転、潤滑油消費量計測

○機関単体ねじり振動計測

○燃焼室の温度計測

○ヒートバランス計測

○力率、摩擦損失計測

○潤滑油ポンプ容量、調圧弁性能確認試験

○シリンダカバー、ピストン開放

新しく採用された構造物の箱形構造、油圧動弁及びLセーブリングなとは特に機関振動、騒音及び潤滑油消費量の低減などで充分な効果がみられ、他の試験結果もほぼ計画どおりの値が得られました。

 

6 あとがき

当社は昨年創業80周年を迎えましたが、長年ディーゼル機関を製造してきた経験と新しい視点からの見直しによる新LA34形機関が今まで以上にユーザー各位のご期待にそえるものと確信いたしております。

 

 

 

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