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ウォータジェット推進装置は主機関からの動力を羽根車に伝達する主軸(インペラ駆動軸)、インペラ、案内羽根、ノズル、デフレクタ、リバーサなどから構成される。

船底の吸入口から取り入れた水は吸入管路部を通って、インペラで旋回流のエネルギが与えられ、そしてその旋回流は案内羽根によって軸方向に整流される。インペラからの整流された水はノズルによって、後方へ噴出され、その反力は船体にて受け、船舶の推進力となる。

ノズルから噴射された水流は、舵の働きをするデフレクタと言う装置によって左右に転向させ、またリバーサ(バケット)によって水流の方向を前進と反対方向に転向させて、船を後進させたり、リバーサを中立位置にすれば、主機関回転時でも、船体を停止状態にすることができる。ウォータジェット推進装置の特長として、張出軸受、舵などの船体付加物がないため、高速時の船体抵抗で、最も大きい割合を占める付加物抵抗が少く、浮流物などによる損傷の程度がプロペラに比較して軽減される。また、プロペラ船に比較して低騒音、低振動で浅瀬航行が可能で、高速艇に適している。

 

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3・49図 ウォータジェット推進装置の一例

 

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3・50図 前進、中立、後進、リバーサ作動図

 

6. アウトドライブ装置

アウトドライブ装置とは船外機から上部のエンジン部分を取り除いたような形状をしており、機能的には新らしい推進装置である。なお、装置自体が舵の役目もするので、舵は不要である。

 

 

 

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