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45) スーパキャビテーションプロペラ

スーパキャビテーションプロペラとはプロペラの翼面上に積極的にキャビテーションを発生させたときに、より高い性能を得ようとするプロペラを言う。高速艇に採用され、羽根断面形状はクサビ形をしている。

46) サーフェスプロペラ

サーフェスプロペラとは船体航走時にプロペラの大半を水面上に露出させた状態で作動させ船体の抵抗を小さくすることにより、プロペラの露出によってプロペラ効率が低下しても船の推進性能を高めることができるプロペラを言う。高速艇のプロペラに適用される。

47) 二重反転プロペラ

二重反転プロペラとは前方、後方の2個のプロペラを適当な逆転機構によって互いに反対方向に回転させ、推進効率の向上を図ったプロペラを言う。

 

2.2 プロペラの構造

プロペラの構造は数枚の羽根とこれらの羽根を保持すると共にプロペラをプロペラ軸に固定する役目をするボス(CPP又はFPPで羽根をボルトで取付るものはハブ)とから成っている。この羽根とボスとが一体に鋳造されているのを一体形プロペラといい、羽根とボスが個別に鋳造されて、羽根の根元部において、ボスにボルトで締付け固着したものを組立形プロペラというが、現在では特殊な場合以外は殆んど使用されていない。通常のプロペラは一体形のプロペラであり、殆んどは固定ピッチプロペラである。固定ピッチプロペラは初めに設計し、製作したピッチをプロペラ使用中に変更することができない。プロペラボスはプロペラ軸に押込まれ、ボス船首側はプロペラ軸スリーブの船尾端とプロペラボスの間に海水が浸入しないように、3・16図および3・17図に示すようなパッキンゴム(Oリング)を装備する構造としている。通常は3・17図に示すようなパッキン押え方式が用いられる。プロペラはプロペラ軸に所要の押込量で押込まれた後プロペラナットで締付け、固定される。プロペラナットは保護のためボンネットで覆い、ボンネットの内部には海水浸入などによる腐食防止のためグリースなどを充填する。またプロペラボスの空所にもグリースなどを充填する。

1) キー付きプロペラ

キー付きプロペラとはプロペラボスとプロペラ軸とのはめあい部にキーを用いて取付ける構造のプロペラである。

プロペラボスコーンパート部の1個所にキーみぞを設け、またプロペラ軸テーパ部に設けたキーみぞにキーを植込んだ状態でプロペラ軸のコーンパート部にプロペラを押込む。この時プロペラボスのキーみぞとプロペラキーが嵌合するとともに、プロペラボスコーンパート部の面とプロペラ軸コーンパート部の面との間に摩擦力が発生する。この摩擦力とキーの作用によって主機関のトルクをプロペラに伝える。

2) キーレスプロペラ

キーレスプロペラとはプロペラボスとプロペラ軸とのはめあい部にキーを使わずにプロペラを押し込みコーンパート部に発生する摩擦力によって固定する構造のプロペラである。

 

 

 

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