31) スキュー角
スキュー角とはプロペラ羽根投影図において、プロペラ軸中心と羽根幅中心線の羽根先端の点とを結ぶ直線とプロペラ軸中心から羽根幅中心線へ引いた接線とがなす角度である。通常型プロペラの場合、スキュー角は7〜8度であり、ハイスキュープロペラの場合は25度以上である。(3・37図参照)
32) プロペラキャップ
プロペラキャップとは3・28図に示すようなプロペラナット用の覆いを言う。プロペラボンネットまたは冠とも言う。プロペラキャップの内部にはプロペラ軸の防食のためのグリースなどの充填材を充填する。小型プロペラの場合プロペラキャップはプロペラナットを兼ねることもある。
33) プロペラの回転方向
プロペラの回転方向は3・36図に示すように、船が前進しているとき、船尾側から船首側を見て、プロペラが時計の針と同じ方向に回っているものを右回りと言う。その逆のものを左回りと言う。
1軸船では普通右回りのものが多く使われるが、漁船など、減速機などの関係でまれに左回りのプロペラもある。特に小型機関の場合左回りのものもある。
2軸船では、右舷側プロペラは右回り、左舷側プロペラは左回りとなるのが普通であり、これを外回りと言う。まれには右舷側プロペラが左回りで、左舷側プロペラが右回りの場合もあり、これを内回りと言う。
1軸船の場合、右回りプロペラは船の前進時に船尾を右舷方向に、船首を左舷方向にふれ回す性質がある。左回りプロペラはこの反対のふれ回り性質がある。プロペラの回転方向は非常に簡単なことであるが、実際にはよく間違いをおこすので、十分注意が必要である。