日本財団 図書館


先端の角度や形状により噴霧の拡がり角や噴射量とニードル弁揚程(リフト量)の関係をいろいろに変えられる。先端部を噴孔に突き出す事により噴射の度に噴孔が掃除できるので詰まることはほとんどない。副室式機関に使用される。

 

087-1.gif

2・146図 ピントル形噴射弁

 

3] スロットル形噴射弁

ピントル形と殆ど構造は同様であるがニードル先端部が2・147図に示す如く逆テーパ形の特殊な形状となっている。これは噴射始めの開口面積を絞り着火遅れ期間の噴射量を少なくし、着火後噴射量を増すようになっているので、ノッキングを防止する効果を持っている。副室式機関に使用される。

 

087-2.gif

2・147図 スロットル形噴射弁

 

(3) 噴射圧力の調整と噴霧テスト

一般に噴射圧力は副室式の場合は12〜16MPa(122〜163kgf/cm2)、直接噴射式機関では20〜30MPa(204〜306kgf/cm2)程度である。2・148図に示すようなノズルテスタに噴射弁ホルダを取り付け、シムを増減するか、又は調圧バネを締め付けながら規定圧力で開弁するように調圧する。噴霧テストはノズルテスタのハンドルを1分間に20〜30回の速さで強く押しながら開弁圧と、噴霧の形状、大きさ、拡がり等を点検する。なお、手のひらを噴霧部分に近づける事は非常に危険であり、絶対にやらぬように注意が必要である。噴射圧力は各部が使用中に摩耗して低下するため定期的に点検調整しなければならない。

噴霧の状態は燃料弁の形式により大きく異なるが、一般的な噴霧状態を2・149図及び2・150図に示す。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION