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同様に、東京都墨田区では、3M運動(小さなミュージアム設置、マイスター育成、モデルショップの設置)が展開され、近年、多くの修学旅行生が訪れている。

陶磁器産業という地場産業を有する本市も、人々の観光形態が物見遊山から体験・学習などへと変貌するなかで、こうした取組と同様に、訪れる人々に「ものつくり」の心や技、文化などを伝えるという取組を展開できる条件を備えており、今後の取組次第では、十分に観光地として成立する可能性を秘めている。陶磁器関連のイベントなどでの窯元見学・開放によって生産現場を訪れた観光客が、陶芸への関心を一層高め、感動する光景には、本市が魅力的な観光地たりうることを確信するに十分な要因がある。

陶磁器生産を核とした生産現場に光を当て、これを観光資源として活かしていく産業観光の振興は、陶磁器生産に特化した本市の経済構造にとっても、多様な産業の育成により骨太な経済構造を築いていく第一歩となるものである。

 

(3) 将来都市像「交流大地」の実現に向けて

本市は、「交流大地」を標榜し、「近(ちか)キ者(もの)説(よろこ)ビ遠(とお)キ者(もの)来(きた)ル」といった理念を実現していくとの観点に立った行政運営を進めている。

産業観光は、消費者と生産者の交流、市民と他地域の人々との触れあい・交流、心とモノとの交流を目指すものである。産業観光による交流を通して、生産者には「ものつくり」への誇り、市民には「地域への誇りと愛着」を呼び起こさせ、「交流大地」としての土岐市の未来を切り開いていくことが期待できる。

 

産業観光の目的

*生産者と消費者の情報交換の場を構築

 

・消費者ニーズに応える付加価値の高い生産構造への体質改善などを図り、陶磁器産業の活性化に寄与する

・本市の魅力的な資源である陶磁器生産技術や生産環境を活かし、他地域の人々の交流を通して様々な都市機能の集積誘導を促し、魅力的な都市形成を図る

 

 

 

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