日本財団 図書館


新しい観光潮流として、これまでの画一志向の強い「マス・ツーリズム」に対して、需要の成熟化を捉えた「もう一つの観光(オルターナティブ・ツーリズム)」の流れがある。これは「自然体験型観光(エコツーリズム)」「民俗文化観光(フォークツーリズム)」「歴史回帰観光(ヘリテージツーリズム)」などである。

 

053-1.gif

(注)A、Bはグリーン・ツーリズムと連動している。

出典:阿比留勝利、地域政策研究平成12年度11号「ツーリズムの流れを読む」

 

3] 今後の観光・リゾート地づくりの基本的な在り方

平成6年に行われた運輸省の調査によれば、全国での旅行消費の生産波及効果は48兆円と推計されている。これはGDP(国内総生産)の5.4%に相当し、約20分の1が旅行との関わりのなかで生み出されていることになる。経済状況の不透明な我が国において、経済活性化の即効性起爆剤となりうる観光産業への期待は、近年ますます高まっている。

また、今日、多様化・高度化する(成熟化する)観光・リゾート需要への対応として「“一人十色”の観光・リゾートニーズ」への対応、固有資源の活用と創造、「ヒーリング(いやし)とセラピー(療法)」「参加・体験・交流」の仕組みづくり、施設や環境の「国際的なアメニティ(快適性)」、接遇や地域の「国際的なホスピタリティ(親切なもてなし)」、「口コミ」の重視、「リピーター」の確保、などがキーワードであり、展開すべきポイントである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION