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第3章 高原リゾートの観点からみた小淵沢町の特徴

 

1 近年の観光・リゾート動向

(1) 21世紀における社会・経済環境の展望

戦後50年を越え、我が国は世界でもトップクラスの経済的繁栄に達した。しかし、物的豊かさの割りには“生活のゆとり”を十分に実感できるには至っておらず、いま、国民の価値観は“ゆとりの実感”、“こころの豊かさ”を求める方向に転換しつつある。

このような流れの中で、21世紀に向けては、一人ひとりの価値観とライフスタイルに即した生活の質的向上、国際的な広がりの中でのふれあい・交流やそのための地域社会の再編がより活発化するものとみられ、その中で、自由時間生活の意義が大きくクローズアップされてくると予測される。

一方、厚生省人口問題研究所の将来人口の推計(平成9年1月推計)によると、平成19年(2007年)には1億2,778万人に達し高齢化も4人に1人が高齢者という時代になり、これをピークとしてそれ以降は、我が国が未だ経験したことのない“人口減少”という構造変化に突入することが予測されている。また、この傾向は世界的にもいえることであり、特に先進国では急激に人口の増加率も弱まりつつある。

このような時代状況を踏まえ、21世紀初頭の我が国の観光をとりまく社会・経済環境のキーワードは次のように捉えられる。

 

■21世紀初頭の社会・経済環境のキーワード

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出典:阿比留勝利、地域政策研究平成12年度11号「ツーリズムの流れを読む」

 

 

 

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