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他方、優遇先の制度はマイノリティー優遇の一環として認められそうであり(解釈上の疑義は若干残るが)、また、調達規模も小さいので適用最小限度のかからない可能性が大きい。食料品の州産品優遇も、やはり、調達規模が小さいので適用最小限度のかからない可能性が大きい。リサイクル品の優遇は環境上の措置が明示的に適用除外とされているので問題はないであろう。ただ、州起源のリサイクル品の追加的な優遇は調達規模が適用最小限度を上回ると問題になりうる。

 

(3) カリフオルニア州(14)

ア 調達の仕組み

カリフォルニア州政府における調達担当部局はDGS(Department of General Services)である。ニューヨーク州と同様、州内の地方自治体も自主的に州の調達契約制度を利用することができる。また、建設等については、一般の調達とは別システムが構築されている。カリフォルニア州においても、近年、調達制度改革の動きがみられる。例えば、カリフォルニア調達改革法(Senate Bill 937: California Aquisition Reform Act:CARA)においては、州内プログラムにおける小企業の定義をそろえる(1000万ドル以下かつ100人以下)こと、また、調達の目的価値を「最低価格(lowest price」から「最高の価値(best value)」に改めることが規定されている(15)。取引の電子化のインパクトも現れつつある。例えば、今後、2万5千ドル以上の調達情報は全てネットに載せることになっている。また、調達改革における基本的方向として、具体的調達活動はなるべく各部局へ委任し、中央調達機関は各部局を研修することによってそれらの能力育成を図るという方向が見られる。

カリフォルニア州においても、入札に際しては、事前資格審査(prequalification)がある。かつては、この資格審査はただのメーリングリストに載せるための審査であり、あまり実質的なものではなかった。そしてメーリングリストが巨大化しているにもかかわらず名前を取り除く権限を調達機関が持っていないという問題や、リストの巨大化に伴い郵便コストも大きくなり非効率であるという問題もあった。そこで、現在では、調達の質の確保という観点からも、厳格に事前審査を行うようになっている。やはりここにも一定の差別的措置が埋め込まれる可能性はある。

 

イ 優遇措置

(ア) 小企業優遇

5%の価格優遇を与える小企業優遇が存在するようである。

 

(イ) 少数民族・女性優遇

少数民族・女性企業優遇の制度はかつて存在した。しかし、少数民族・女性企業を優遇するというのは、裏を返せば少数民族・女性企業を優遇の枠内に閉じこめているということであり、この法自体が差別的で憲法違反であるという裁判所の判断が約2年前に出された。その結果、少数民族・女性企業優遇の制度は廃止された。

 

(ウ) 停滞地域発展プログラム

広義の停滞地域発展プログラムとしては、TACAP(Target Area Contract Preference Act)とLAMBRA(Local Agency Military Base Recovery Area Act)が存在する。

TACAPは、商業部局に認定された停滞地域(distressed area:具体的には少数民族地域、貧困地域を意味する)で事業(商品生産の場合50%以上、サビス提供の場合90%以上)を行う企業については、5%あるいは追加的に(失業のリスクの高い労働者を雇った場合には)4%まで(つまり総計9%)優遇を行うという制度である。ただし、建設サービスについては対象外となっている。このTACAPの運用上の問題として、モニタリングの問題がある。つまり、認定された企業が本当に停滞地域で事業を行っているのか確認が困難であった。そこで、近年施行された法律(Assembly Bill 835:1999年1月施行)においては、企業側が主体となり実際に事業が当該サイトで行われていることを実証し、それが認証される必要があるとされた。しかし、DGMのモニタリング担当者は2人であり、これで全ての優遇プログラムの監視するのは物理的に困難である。議会もモニタリングには関心がない。

 

 

 

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