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はじめに

 

新世紀を目前にして、昨年4月には地方分権一括法が施行され、それに伴い地方公共団体の自主性・自立性が格段に高まり、住民の意向を踏まえた行政の展開が可能になると共に、住民もより一層の責任をもって行政に参加することが期待されている。

このような地方分権改革は、新世紀の地方自治の出発点であり、その基本的な枠組みを整備したものということができる。今後、地方公共団体は、自己決定と自己責任という新たな枠組みを、個性豊かで活力あふれる地域社会の創造の実現のためにいかに活かしていくかが問われているといえる。

地方公共団体の中には、創意と工夫を凝らした取組を始めたところも出てきている。しかしながら、地方公共団体を取り巻く環境は、激しく厳しいものがある。

当機構では、地方公共団体が直面する困難な課題の解決に資するため、一つは全国的な立場から、一つは地域の実情に即した立場から、多角的に課題を取り上げ調査研究を行っている。本年度は八つの具体的なテーマを設定し、調査研究を実施した。本報告書は、このうちの一つの成果をとりまとめたものである。

本調査研究は、WTO政府調達協定が、地方公共団体の行財政運営に及ぼしている影響とそれに対する地方公共団体の対応状況について、国内外の事例を調査するとともに、国際協定の解釈に関し、国と地方公共団体が異なる主張をするような場面を想定して、地方公共団体による国際協定遵守の問題について検討を行ったものである。

本調査研究の企画及び実施にあたっては、調査研究委員会の委員長、委員・幹事各位をはじめ関係者の方々から多くのご指導とご協力をいただいた。

本報告書がひろく地方公共団体の各種課題の解決と施策展開の一助となれば幸甚である。

 

平成13年3月

財団法人 地方自治研究機構

理事長 石原信雄

 

 

 

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