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図表5-2 貸借対照表の概念図

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(4) 発生主義決算による財政運営の指標

地方公共団体の現行の会計制度は現金主義を採用しているが、決算統計上は、発生主義的な情報等を取り入れ、財政分析を行い得るような仕組みとなっている。

しかしながら、土地開発公社の塩漬け土地、退職手当の積立て不足等、近年表面化してきた問題については、現在の決算統計では十分な分析が困難であり、発生主義決算を用いた分析を行うことが適当な場合があると考えられる。

また、財政分析に当たっては、現在、経常収支比率、実質収支比率、実質単年度収支、起債制限比率、財政力指数等の財政指標が用いられているところであるが、発生主義決算を用いることにより、これらを補完する財政指標を新たに提示することができる。具体的には以下のような指標が想定される。

ア 経常収支比率に対応する指標

=(経常収入−資産評価益−建設会計への繰出金)/(経常収入−資産評価益)

イ 実質収支比率に対応する指標

=(当年度利益金−資産評価益)/(経常収入−資産評価益)

 

 

 

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