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はしがき

 

地方税の充実確保は、地方分権推進計画等に位置付けられた地方分権には不可欠な喫緊の課題となっている。また、地方分権推進一括法でも、議院修正により条文が追加され、地方税財源の充実確保の方途について検討し、必要な措置を講ずるものとされている。地方税の充実確保の考え方としては、地方分権推進計画では、生活者重視という時代の動向、所得・消費・資産等の間における均衡がとれた国・地方を通じる税体系のあり方等を踏まえつつ、税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系の構築について検討することとされている。

また平成12年7月には政府税制調査会において中期答申が取りまとめられ、地方公共団体がより自立的な行財政運営を行えるよう、地方税を充実し、国からの移転財源への依存度をできるだけ少なくすることが必要であるとして、地方税の充実確保が重要な課題となっている。

当センターでは、このような認識に基づき「地方税源の充実確保方策に関する調査研究」委員会を設置し、国と地方の税源配分のあり方と税源移譲の具体的方策、地方税制における充実確保方策、課税自主権による充実確保方策等について幅広い調査研究を実施した。

今回の調査研究では、時間的な制約もあって、必ずしも議論が十分に尽くされたとはいえないが、地方税源の充実確保方策について種々検討が加えられたものであり、今回の成果が、少しでも地方税制に対する理解を深めるために役立てていただければ幸いである。

今回、この調査研究を実施するに当たって、御多忙のところ御協力を賜った関係者各位に対して心から感謝申し上げる。

 

平成13年3月

 

財団法人自治総合センター

理事長 松本英昭

 

地方税源の充実確保方策に

関する調査研究委員会

会長 林健久

 

 

 

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