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4. 国際観光客送り出し市場

欧州、米州、東アジア・太平洋地域の先進諸国が主な国際観光客送り出し市場であるが、送り出し市場の多様化も見られる。

国際観光客到着数を地域別に分析すると、観光客の流れには以下の傾向が見られる。

 

・欧州地域

欧州は世界の国際観光客の半分以上を送り出している。1985年からの年間伸び率は世界平均より若干低い。欧州地域の中で送り出し数の多い地域は以下の通り。

ノルトライン・ウェストファーレン(ケルン、デュッセルドルフ)

イングランド南東部(大ロンドン)

バイエルン(ミュンヘン、ニュルンベルク)

バーデン・ビュルテンベルク(シュトゥットガルト、マンハイム、カールスルーエ)

イングランド北部(マンチェスター・ニューカッスル)

ランドスタッド(アムステルダム・ロッテルダム・ハーグ)

スウェーデン中部(ストックホルム)

オーストリア東部(ウィーン)

(出典:IPK International, EMT 1998)

 

・米州地域

世界全体の国際観光客の約5分の1を米州地域が送り出している。伸び率は世界平均よりかなり低い。

 

・東アジア・太平洋地域

この地域は1985年から98年の間、平均年8.5%の伸びを記録し、世界で最も国際観光客送り出し数の伸び率の高い地域である。先進諸国からの送り出し数が多くを占めるが、最近は、近年先進国の仲間入りをした国からの送り出し数も増えている。その結果、この地域が世界全体の国際観光客送り出し数に占める割合は、85年の10%から98年には約15%に増えた。97年と98年はアジアの経済・金融危機のため伸び率が低下したり、伸びが完全に止まった国もあったが、99年は大幅に伸びた。この地域は、大きな潜在旅行需要があるので中長期的に成長の持続が予想される。

 

・アフリカ、中東、南アジアの各地域

この地域は合わせて世界全体の約5%の国際観光客を送り出している。85年から98年の平均年間伸び率は世界平均を下回る。

 

 

 

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