日本財団 図書館


2. 1999年の動向(暫定値)

WTOが2000年8月1日までに入手したデータによれば、1999年の国際観光客到着数は6億6,400万人(前年比4.4%増)、国際観光収入は4,550億米ドル(同3.1%増)であった。観光収入の対前年増加率は97年、98年と微増であったが、99年は3%を超えた。

 

004-1.gif

出典:世界観光機関(WTO) Source: World Tourism Organization (WTO)

 

アジア・太平洋地域の国際観光客到着数は、97年、98年とマイナス成長であったが、99年には過去最高の9,720万人(前年比11.1%増)を記録し、再びトップクラスの観光地として返り咲いた。他に到着数が増えた地域は中東(前年比16.2%増)、アフリカ(同7.8%増)、南アジア(同8.3%増)であった。

地中海西部地域への国際観光客到着数も1999年にはかなり伸びた。スペインが前年比9.2%増、モロッコが同18%増であった。コソボ紛争やトルコの政情不安と地震のため、これらに近い地域を避け地中海西部へ旅行した人が多かったことによると思われる。

中米も、絶対数は大きくないが、顕著な伸びを示した。また、アイスランド(前年比13.4%増)、エストニア(同15.2%増)、グルジア(同21.1%増)、イラン(同16.5%増)など、今まで余り多くの旅行者が訪れなかった国の伸びも目立つ。

 

<国際観光客地域別概況>

アフリカ地域

アフリカ地域への国際観光客到着数の伸びは、世界平均の2倍近い7.8%であった。アフリカ北部と南部への旅行者の集中が依然続いている。最も伸び率が大きかったのは、モロッコ(前年比18%増)、ジンバブエ(同11%増)、ザンビア(同26%増)であった。主要観光国のチュニジア(同3.4%増)と南アフリカ(同6%)も順調に伸びた。

 

米州地域

この地域への国際観光客到着数の伸びは、世界平均より低い2.4%増であった。米国(前年比4.5%増)とカナダ(同3.7%増)が健闘したが、南米(同0.1%減)とメキシコ(同2.9%減)が足を引っ張った形になっている。中米は総じて良く伸びたが、特にグアテマラ(同29%増)、エルサルバドル(同21%増)が好調であった。カリブ海地域は、キューバ(同12%増)とドミニカ共和国(同15%増)などの勝ち組と、プエルトリコ(同11%減)などの負け組に別れる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION