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事例8 手やすロープで解体物を降ろしていた際、よりが戻って手に当たり墜落

 

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発生状況 職種 足場工 年齢(経験年数) 55才(30年)

本人は、同僚とともにコールバンカーの足場解体作業に従事していた。本人は、解体した4本の手摺を、手やすロープで10m下に降ろしていたが、途中でロープのよりが戻り、本人の手に当たり、そのショックで、身体が前に突込むような形となりバランスを崩して墜落受傷した。

 

原因

1. 10mの局所にも拘わらず、安全帯を使用していなかった。(作業床が十分に確保されており、安全であるとの認識があったものと推測される)

2. 足場解体の基本的手順が明確でなかった。

3. 作業前に手やすロープのよりの有無を確認していなかった。

 

対策

1. 足場作業主任者による架設・解体時における作業方法・安全指示を明確にし、その確認と注意指導を徹底する。

2. 基本的手順の確認は通常難しいと思われるので、手順書の中でロープを使って荷降ろしの注意書きを明記する必要がある。

3. 作業者も指示事項を確実に実践する。

4. 安全帯の使用。

 

中高齢者への留意すべき点

判断ミスが起こるのは、その作業の急所がどこにあるのかを事前に理解していなかったことに拠ることが多い。ベテランならばこそ、なおさら判断の妥当性を疑うべき。

 

 

 

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