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事例3 下船時の近道行為で海へ墜落

 

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発生状況 職種 塗装工 年齢52才

昼の休憩時間になったので、艤装船での作業を終えた本人は船尾左舷の渡り桟橋に行こうとしたが、混んでいたので、手前の船首部から降りようとして(岸壁との間は1.7m)架設の手摺りをくぐろうとした時、バランスを崩して4.5m下の海に落ち受傷した。

 

原因

1. 近道行為をしようとして、手摺りをくぐった。

 

対策

1. 教育指導の徹底。

2. 艤装船でも作業者の数によっては船首部にも渡り桟橋の設置も検討する必要がある。

(要は、近道行為をしたくなる環境を是正することである)

 

中高齢者への留意すべき点

近道行為をしようとした場所に、無事手摺をくぐって立ってみても約2m以上飛ぶことは無理だろうと想定される。しかし、人間の心理としては、この種の近道行為は出来るという錯覚は年齢に限らず誰にも生ずるものである。若手の不安全行為を戒めるべきベテランが、自ら率先して不安全行為を犯すことがあってはならない。認識を新たにすべきだが、加齢とともに自分の運動能力を再確認する必要があるし、同時に設備・環境の充実も考慮されたい。

 

 

 

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