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5 消えゆく砂浜を守る(一宮海岸の海水浴場)

 

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九十九里拡大地図

 

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一宮海岸の図

 

宇多 目の前にあるのがまだ先端がT字になっていない建設途中のヘッドランドで、片貝のほうから数えて6基目のヘッドランドです。手前側にあるのが重量2トンぐらいの捨石です。茨城県の笠間とかに石を切る場所があって、そこで切ってきてトラックで運んできて並べたものです。天然石を使っています。

 

それで、ここで見るべきは何かというと、10月13日の時点では、このヘッドランドの右側にうんと砂が溜まっていました。それに対して左側は砂が殆どない。つけ根のところにちょっとありますが。ということは、海岸から真っ直ぐ伸びた構造物の左右で非対称な砂浜が見られるわけです。波が真っ直ぐ沖から入ってくるのであれば、このような非対称性は決して生じることはありません。ではなぜ非対称かというと、打ち寄せる波が沖から真っ直ぐ来ないからなんです。

実際には、この突堤から見てやや右手、つまり南東の方向から波が作用していたということがわかります。

これは夏の台風のうねりの影響によるもので、砂は南東から来る波に乗って流されてきますから、結果的に突堤の右側に溜まって、広い砂浜が形成されたのです。

 

ところが、10月に入って北東からの波に変わったのです。このため右側に堆積した砂が削られ始めた証拠として、浜崖を見ることが出来ます。

 

それが約1月後の11月1日には、砂はさらに削られて移動したため、もはや崖はありません。つまり砂は夏とは逆の方向に移動しつつあるわけです。この海岸の砂は、左のほうから波が来れば右のほうへ動く。夏場のように右のほうから波が来れば左のほうに動くということで、行きつ戻りつしています。しかし、ならして見ると全体としては砂は北(左)の方へと動いているのです。ここの浜辺の砂はせいぜい水深8mよりも浅いところを主として横に動いているんです。

 

 

 

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