2-2 木造船建造に係る船大工及び機材等の調査
2-2-1 目的
和船の建造技術は、漁船の中に細々と残っていたが、昭和30年代になってFRP船が普及されるにつれ、その技術を受け継ぐ人が極端に少なくなった。そのため、和船の技術をもつ船大工は高齢化し、その数は年々少なくなっている。また、和船を建造するための周辺機材も散逸が進んでおり、管理・保存については、ほとんどなされていないのが現状である。そこで、その前身が(社)日本木造船工業会であった(財)日本小型船舶工業会(現(社)日本中小型造船工業会)の協力を得て、船大工及び地域の造船所に残されている機材・道具の調査を行った。
2-2-2 方法
(財)日本小型船舶工業会の協力を得て、同工業会会員約684社を対象にアンケート調査を実施するとともに、同会の機関誌「造船業だより」2000年1月号に調査内容を掲載し、回答を働きかけた。
発送:2000年1月19日付発信 回答〆切 2000年2月29日
調査項目
船大工の氏名、年齢、連絡先、建造した船の種類及び名称、進水式のしきたり
2-2-3 結果
発送数:684社
回答:215社(回答率31.4%)
船大工有:89社
船大工数:218人(各地域の人数は以下のとおり)
平均年齢:65.4歳
機材等の提供
可:1社 一部可:38社