日本財団 図書館


それによってどのようにgovernanceを確立するかということになるんですが、やはりOcean Governanceの一つの有効なシステムのためには、国としての原則とか目標が、必要だと思います。やはりそのためにはコンセンサスづくりが国内でも必要です。その場合には利害関係者がすべて巻き込まれていなければならない。国としての目標は、海洋資源に関してどうあるべきかということをコンセンサスづくりをしなければなりません。アメリカのような大きな国で、日本も大国ですけれども、その中にもいろんな地方があるわけです。国の単位だけでなくて、国の枠を超えたregion、地域ということで、この資源の多面的な利用ということを考えたほうが、問題によりよく対応できるということはもちろんあると思います。そういったことにも対応しなければなりません。そしてさらに国内の地元のレベルとの関係、これも重要であります。情報をはっきりさせて、きちんと管轄権を確立しなければいけません。そして、より効率的な資源の利用を地域アプローチ、あるいはエリア・アプローチということでやることが必要だと思います。

それから、省庁間での政策統合が必要であります。より効果的な手段を確立して、目標や政策の設定・調整をすることが必要です。海洋審議会のようなものを設けて、調整の権限を与えて、政策立案をさせるということが重要だと思います。これはアメリカだけではなくて他の国、あるいは国内の様々なレベルにも必要だと思います。省庁間協議会ということをここに書きましたけれども、国、州や県あるいは自治体などのレベルで目標策定する、それを調整する。そして地元で行われる意思決定が国の意思決定と整合性がとれていなければなりません。全体のシステムがうまく機能して実効的な効果的な参画や意思決定がされるためには、これはアメリカでも外国でも同じだと思いますが、やはり能力づくりが必要だと思います。紛争解決のための能力づくり、そして企画立案の能力づくり、これが特に州、県とか市町村、自治体といったレベルで必要だと思います。

以上が私の話であります。ご静聴いただきましてありがとうございました。アメリカという一国でありますけれども、沿岸・海洋政策をこれまで長年どうやってきたかということを少しおわかりいただけたかと思います。一夜ではできない長い歩みでございました。ありがとうございます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION