日本財団 図書館


規則の構成やその内容において、従来の規則とは多くの点で異なるが、その中でも特に、第15規則と機器搭載要件(第19規則及び20規則)に大きな改正が見受けられる。そこで、ここではこれらの規則を中心に説明することとする。なお、改正案では、適用要件について現行SOLASV章で適用除外となっている軍艦及び専ら内水面のみを航行する船舶に加えて、政府が運航する船舶等を適用除外とする提案を行った国があり、係る議論はNAVとしては結論が出ず、次回MSC72で検討されることとなった。

また、設備の搭載要件等に関する規定については、国際航海に従事する150総トン未満の船舶及び国際航海に従事しない500総トン未満の船舶についてはSOLASV章の適用を主官庁の裁量により決定できることとなっている。

 

2.3 船橋設計や航行システム配置などに関する原則(第15規則関連)

第15規則は、「船橋設計、航行システム及び装置の設計と配置並びに船橋手続きに関する原則」と非常に長い名前を持ち、従来の規則には無い「原則」を規則として取り込んでいる。

この規則は、SOLASV章改正案としてノルウエーが提案したFunctional Requirementの流れを残した規則である。規則の内容は表3の通りである。またこの規則の関連として、船橋機器と配置についての人間工学的観点からのガイドライン(船橋配置と配置に関する人間工学的基準)がコレスポグループ(独)により作られた。しかし同様の基準が既にISOやLR(ATOMOS-2)にあることから、こうした基準を使っている国から反対意見が出されたこともあり、本ガイドラインの検討・合意はNAV46(2000年7月開催予定)まで延期され、MSC73で承認される予定である。我が国は以前に船橋配置のガイドライン作成を試みたこと(この流れから本ガイドライン作成において独と組んだこと)、ISOやLR基準のような複数の基準をIMOにおいて統一するためにもガイドライン作成が必要であることから、我が国として積極的にコレポングループに協力する姿勢が必要であろう。

 

表3 第15規則の条文案

003-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION