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小口径の武器では銃声と弾道は相手方に認知されにくい。それゆえ、ライフルは、充分に接近している場合にのみ使用されるべきで、そうすることにより、ライフルの銃声を相手が聞くことができ、且つ認識されるものなのである。

換言すれば、ライフルは、コーストガードの船艇が被追跡船に充分に接近している場合にのみ使用されるべきであるということである。

当該船舶が警告射撃を意に介しない場合、正に、その場合にのみ、当該船舶に対して射撃をすることが許される。その場合であっても、航行能力を逓減するためなのであって、意図的に当該船舶を沈めたり、船内の人々を傷つけるようなことがあってはならない。次のことは明確に認識されていなければならない。それは真に必要な状況の下において、そのような行為が正当化される直接的理由がある場合にのみ採用される、最終方策としての手段なのである。制定法によって定められているすべての前提要件、必要な旗をかかげての停船命令あるいは追跡であり、警告射撃であること、それは完全にそして十二分に守られねばならないことである。それに加えて、デッキ上にいるすべての乗員はそれと分かるコーストガードの制服を着用していなければならない。そして、最終的に、当該射撃は決して当該船舶を沈めるためのものではなくて、存在が明確なあるいは発見された違反に適用可能な法令の条項のもとで許される場合に、乗船しての臨検、検査、押収のため強制し服従させるためなのである。

これとの関連において、乗船する理由があることが船舶を停船させるために射撃をおこなうか否かを決定するにあたっての極めて重要なポイントであると指摘することができる。換言すれば、当該船舶が重大な国家の利益あるいは安全に影響を及ぼす重要な犯罪の疑いがある場合を除いて、射撃に頼るようなことがあってはならない。もし乗船目的がモーターボートの必要搭載機器を見て、これを確認するためであるならば、当該船舶は射撃の対象からは免れるものである。もちろん当該船舶が、コーストガード船舶が接近した場合に射撃をしてきたら、停船を強制するのと同様に、付近の区域やコーストガードの船艇や乗組員の安全に必要な範囲で防御のために必要な実力が行使されてよい。言うまでもないことではあるが、このような状況が生起した場合には、指揮官はただちにその状況を報告し、且つ、事態の進展に応じて指示を得なければならない(26)

 

 

 

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