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5.2.3 地球温暖化対策

 

近年、多くの場所で「地球温暖化」への取り組みが議論されることが多い。地球温暖化とは、地球大気の気温、特に地球表面の気温が高くなっていくことである。気候変動の対応に関する協議は、国連気候変動枠組条約締約国会議で行われている。その内容は、大気中の温室効果ガスの濃度を気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすことのない水準に安定化することを目的とし、「2010年において温室効果ガスの排出量を1990年水準で安定化すること」の重要性を認識し、政策・措置を採用することを定めたものである。この目標は極めて高く、現状においては、何らかのCO2の隔離は必須の要件となっている。CO2の貯留の場として「海洋」が注目を集めている。

 

5.2.4 環境汚染

 

ナホトカ号の事故をみるまでもなく、海洋の汚染は沿岸国に深刻な影響を与える。広大な海は、汚染物質のバッファーともなり得るが、石油の流出などに対しては、バイオレメディエーションや光触媒などによる積極的な対応も求められている。

 

5.3 技術開発や産業創造の場としての海洋の利用ニーズ

 

海洋は、21世紀の問題を解決する場だけではなく、技術開発や産業創造の場としての利用も期待されている。前者を「社会ニーズ」とすると、後者は「技術的なニーズ」と位置づけられる。この分野の利用ニーズを表5.3-1に示した。

 

5.3.1 海の観測手段の確立

 

広範な海洋の利用にあたっては海をよく知ること、すなわちモニタリングは極めて重要なアイテムである。これまでの調査を総括すると、モニタリング技術としては下記の5点が強く求められている。

 

1] リアルタイムのモニタリング技術

・海中プラットフォーム用モニタリングシステム

・海中コミュニケーション利用ネットワークシステム

・リアルタイム化学センサー

・リアルタイム生物センサー

 

 

 

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