日本財団 図書館


2.2.4 先端技術開発の適用および可能性

 

これまでの調査を踏まえて、21世紀の海洋の利用可能性として、物的および空間的な資源を活用するハード技術ばかりでなく、科学技術の進歩によってようやく知られるようになってきた海の英知(知識ないしソフトウェア)も活用する海洋技術を構築することを提案した。この視点に立ち、エレクトロニクス、コンピュータ、生命科学、宇宙利用など、現代の最先端の科学技術によって実現される「次世代の海洋技術」候補として下記を挙げた。

 

(1) 情報通信

・海中コンピュータビジョン(コンピュータによる3次元ビジョン)

・海中コミュニケーション(Through Water Communication)

・海洋マイクロシステムテクノロジー(Oceanographic Microsystems)

・海洋音響学(海中音響伝達、海洋生物音響、地震・災害、リモートセンシング)

・衛星システム活用(広域追跡、GPS)

 

(2) ロボティクス

・海洋ロボティクス(AUV、ロボットフィッシュ)

・人工知能システム(自動制御、自立分散システム、オートメーション)

・マリンバイオメカニクス(海洋生物の流体力学、生体機械力学)

 

(3) 生命科学技術

・材料デザイン(バイオミメティクスおよびその応用)

・海洋遺伝子情報資源によるバイオテクノロジー(バイオインフォマティクス)

・海洋性機能性食品・医薬品(海洋生物工場)

 

(4) 海洋生物保全

・海洋生物の回遊挙動(衛星追跡)

・海洋生物コミュニケーション(高等海洋生物のコミュニケーション、集団行動解)

・沿岸・沖合養殖システム(海洋生物行動制御)

 

(5) 地球環境維持

・大気−海洋−沿岸域システムの観測(生物生産、海洋物質循環、気候変動)

・沿岸域環境の保全(排ガス浄化、港湾浄化、生態系保護)

・海洋環境修復(バイオレメディエーション、光触媒)

・海洋中への二酸化炭素吸収の促進(海洋貯留、鉄散布)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION