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はじめに

 

本報告書は、競艇公益資金による日本財団の平成11年度補助事業として実施した「横断的手法による21世紀の海洋利用技術創出に関する調査研究事業」の成果を取りまとめたものです。

21世紀には、二酸化炭素放出による地球温暖化や化石燃料の枯渇、人口の爆発的増加による食糧不足など、地球規模での問題が一層顕在化してくることが予想されます。これらの諸問題に対して、地球の70%の面積を占める海洋の環境や資源、空間を利用して解決しようとする期待が大きくなっていますが、広大な海洋を把握するための技術が確立されていないばかりでなく、資源開発や空間利用などに必要な基盤的技術も十分に整備されていないのが現状と思われます。

本事業では、海洋のより高度な利用を図っていくために、海洋資源・エネルギー分野、海洋空間利用分野、地球環境保全分野および海洋観測・調査分野など、海洋の全分野について横断的な観点から見直しを行い、海洋の果たす役割および海洋の利用・活用できる領域について調査研究を行い、今後の海洋利用技術の発展に資することを目的に実施いたしました。

本年度は、2年計画の最終年度として、先端技術の海洋への応用および海洋から得られた新しい知見や技術の応用について検討すると共に、ニーズの観点から21世紀の海洋に期待される新たな利用について検討し、更にこれらを踏まえて海洋開発・利用技術に関する具体的提案を行いました。

本報告書はそれらの成果を取りまとめたものであり、海洋利用について検討する際の参考になれば幸いです。

本事業は、東京大学海洋研究所平啓介所長を委員長とする「横断的手法による21世紀の海洋利用技術創出に関する調査研究委員会」の各委員の熱心なご指導とご審議によるほか、株式会社三菱総合研究所をはじめ多くの方々のご協力により実施されたものであり、これらの方々に対して厚くお礼申し上げます。

 

平成12年3月

財団法人 シップ・アンド・オーシャン財団

会長 今市憲作

 

 

 

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