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5-5. 遮熱エンジンで廃食用油を燃料として用いた初期性能試験結果

 

5-5-1. 初期性能試験結果

一次試作単気筒遮熱エンジンを用いて初期評価を行った。試験に供試したセラミックス部品は全てプルーフ試験を実施したものである。

試験条件はモータリングにてエンジン回転速度を2500rpmとしエンジン各部の干渉、焼きつき、異常磨耗、異音の発生等を調査した。試験中、異音の発生は無かった。分解後、セラミック部品は全て蛍光探傷法にて亀裂、破損の有無を調べた結果、異常は認められなかった。干渉、異常磨耗等も無く、以後の試験に供試可能であることを確認した。次に廃食用油を用いて始動性の試験を行った。燃料の噴射タイミングは上死点前10度に設定し、雰囲気は大気温度とした。過給装置は無過給の条件とした。特に異常無く始動させることができた。尚、白煙や臭気については未評価である。始動Q増についても特に調整は行っていない。

 

5-5-2. セラミックス部品の調査結果

始動試験終了後、エンジンを分解しセラミックス部品を蛍光探傷法にて亀裂、クラック発生の有無を調査した結果、特に異常は認められなかった。

リング−ライナ間、バルブ−バルブガイド間等の摺動部に異常磨耗、凝着等の異常は認められなかった。

 

5-5-3. 一次試作品での燃焼の問題点

一次試作仕様での排気ガス特性、燃費・出力特性等のスクリーニング試験を行い、問題点と改良すべき点を明確にする。

 

6. 今後の課題と予定

今回の初期評価を通して、試作した単気筒エンジンがの評価改良試験に供試可能なことが確認できたので、今後は噴射系仕様、噴射時期、燃焼室形状をパラメーターとして燃費と排気ガス性能を最適化する改良試験に移行するとともにセラミックス部品の信頼性評価を実施する。

 

 

 

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