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あいさつ

 

本報告書は、競艇公益資金による日本財団の平成11年度補助事業として実施した「遮熱エンジンによる廃食用油等の処理システムに関する研究開発」事業の中間報告をとりまとめたものであります。

我が国では、国内年間生産量の約4割にあたる食用油が下水から河川を通じて海や湖沼に放出されており、この油が酸化分解する過程で水中酸素を消費して二酸化炭素を放出し、地球温暖化、及び水質環境の悪化に大きな影響を与えております。最近、このような廃食用油を回収し、何らかの処理を施して一般のエンジンに使用できる燃料に再生する研究が進められており、すでに実用化されているものもありますが、コストのかかることが課題となっております。

ところが、セラミックス部品を用い、空気層によって遮熱された特殊なエンジンでは、高温燃焼が可能となるために廃食用油等の燃えにくい燃料をクリーンにディーゼル燃焼させることが可能となります。

そこで、当財団では本年度から、廃食用油に対してできるだけ手を加えることなく、これを安価な燃料として使用できる遮熱型セラミックスエンジンの開発を行うことで、回収した廃食用油をクリーンに燃焼できる処理システムの実現を目指す研究開発を開始いたしました。本研究開発が、二酸化炭素の低減および河川、湖沼、海洋の水質汚染防止に貢献し、地球環境の保全に寄与することを期待しております。

本事業は、北海道大学村山正名誉教授を委員長とする「遮熱エンジンによる廃食用油等の処理システムに関する研究開発委員会」委員各位の熱心なるご指導と、(株)いすゞセラミックス研究所のご協力により実施されたものであり、これらの方々に対して心から感謝の意を表する次第であります。

 

平成12年3月

財団法人 シップ・アンド・オーシャン財団

会長 今市憲作

 

 

 

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