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●総合評価(平成7年)

模型実験結果から各種船型の総合評価を行い、これに基づいて最終船型の提案を行った。

以下にそれぞれの過程の内容・結果等を示す。

 

1.1 基本設計

 

研究の第一段階として、研究対象として想定する船舶についての基本設計を行った。まず、対象船の船種・主要目の選定のために、輸送貨物及び航路の想定並びにNSRにおける水深、港湾の船長・喫水制限等の調査を行った。これらの検討結果をもとに、ムルマンスク港からNSRを経由してわが国に至る航路を通る(内陸河川における一部航行も考慮)多目的型貨物船を研究の対象とすることとし、表A-1に示すような主要目等を決定した。本船の一般配置図を図A-1に示す。本船は、船尾に機関室を有し、船側・船底は共に二重壁構造とし、バラストタンクは船首、船尾及び船側部に設けた。主機については、想定した砕氷能力から既存の砕氷抵抗式に基づき必要馬力を決定した。また、推進器の形式としては、ディーゼル直結型の可変ピンチプロペラとし、通常プロペラとノズルプロペラの両者について検討することとした。船種・主要目等の選定に続いて船型計画を行った。ここではわが国における氷海商船の建造実績が乏しいことを勘案し、水槽試験等において船型と性能の系統的な調査を行うために、まず、以下に示す、船首形状3種類、船尾形状2種類の船型について検討を行うこととした。

 

表A-1 沿岸NSR用氷海船舶の主要目等

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図A-1 沿岸NSR用氷海商船の一般配置図

 

 

 

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