Ron Verrall氏発表論文
OMAE-99-3250
THE UNDER―ICE NAVIGATION OF THE AUV THESEUS
AUVテセウスの氷海下でのナビゲーション
RonVerrall,Ph.D.,
Defence Research
Establishment Atlantic, 9 Grove St., PO Box 1012
Dartmouth Nova Scotia, Canada, B2Y327
Bruce Butler, P. Eng.,
Offshore Systems Ltd.,
107 - 930 West 13 St., North Vancouver, BC
Canada, V7P 3N4 (Formerly with ISE Research)
1. 概要
カナダ国防省は氷で覆われた海域で長距離の航行が可能な自律潜水機を開発した。そのような海域では、前もって得られる測深などの情報が限られており、自律航行するためには、ナビゲーションシステムは正確で、信頼性があり、繰り返し使えるものでなければならない。慣性と音響の二通りの異なるセンサからの情報を結合して、正確なナビゲーションを可能にするハイブリッドナビゲーションシステムが開発された。このシステムはテセウスとして知られている大型のAUVに搭載され、200km以上の長距離のミッションにおいて、水平方向で、移動距離の0.05%以上の精度を達成した。この論文では、このナビゲーションシステムのセンサについて詳述し、AUVそのものと、その北極高緯度域でのミッションの成功について述べる。
2. 導入
カナダ、バンクーバーにあるISER (International Engineering Research)は、カナダ国防省との契約のもとに高緯度北極域の氷海下で、長距離航行が可能なAUVを設計、建造した。設計は1992年に始まり、建造は1995年までに終了した。ビークルは、1996年春に、180kmの光ファイバケーブルを沿岸のサイトから北極海のサイトまで敷設し、そこで海底下に設置された実験システムにケーブルを繋ぐために使用された。ビークルはその後、沿岸のサイトに帰投し回収された。その後、2度目のケーブル敷設のミッションが行われた。
この論文の主な目的は、ビークルのナビゲーションシステムを述べることであるが、ケーブル敷設のミッションとビークルそのものより一般的な説明から始める。