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新品を制作するより、メンテナンスと改造の数が多く、メンテナンスの場合、納品日程がタイトでたいへんだということである。ちょうど水道局の貯水池で使用されてきた20年以上前のAcoustic Releaseをメンテナンスしているところで、基本的構造は変わっていないので、バッテリー部分の改造を行っていた。鉛電池の代わりに単一の乾電池を複数、星形に束ねたパックも使用していた。Acoustic Releaseの信頼度は非常に高く、事故はほとんど報告されていない。トライトンブイの件はその原因をBENTHOS社も注目しているとのことだった。

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Acoustic Release

TransponderはBENTHOS社得意のガラス耐圧容器を用いたもので、直径25.4cmと43.2cmのものがある。耐圧深度は6,700mである。この他、JAMSTECも購人している深度12,000m対応のDeep Sea Pinger、Transponder Deck Unitの説明を受けた。

また海洋調査用及び軍事用として、多種のハイドロフォンを製造している。ハイドロフォンの製造、検査工程はまさに手作りで、最も多くの人員をこのラインに割いていた。特に、特殊用途のものは温度湿度管理された部屋の中で作られ、専用装置によってチェックされていた。透明チューブの中に複数のハイドロフォンを配したHydrophone Arrayが面白い製品であった。

 

2.4.2. ROV

銀色に輝く非常に小型(直径45.7cm、重さ23.6kg)のE-ROVは原子力用に製作されたもので、全体がステンレス製である。ビデオカメラとセンサーを搭載しており、機能を絞り込んだ潔さが目立った。

 

 

 

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