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ポルトガル

 

(1) 一般事情

 

ポルトガル共和国は、ヨーロッパ南西部に突出するイベリア半島西端に位置し、東と北はスペインと国境を接し、西は大西洋に面している。

北部は山がちで、南部は低地が開けている。

北部のミーニョ・ドーロ川、中部のタホ川および南部のグァディアナ川などはいづれも北部山地に源を発し、国内を貫通し大西洋に注いでおり、西部・南西部の沿岸地方には海岸平野が発達している。

気侯は全般的に温和で、北部は西岸海洋性気侯、南部は地中海性気侯、内陸部山岳地帯は大陸性気侯の特色を示している。

国土面積は92,389km2(日本の0.24倍)、人口は993万人(96年央)で、首都をリスボン(人口331万人)におく。

人種はポルトガル人、言語はポルトガル語で、宗教はカトリック教徒が圧倒的多数である。

ポルトガルの現社会党政権は95年の政権発足以来、経済通貨同盟への第一陣参加を最大課題として財政赤字縮少・インフレ抑制に取組み、好調な経済成長を背景に経済収斂条件をクリアし、経済運営政策に自信を深めている。

一方、外交ではEU統合への積極的参加、西側諸国との協調・ポルトガル語圏諸国との関係強化などを基本方針としている。

ポルトガルの経済は、86年にECに加盟、内外からの投資増加、貿易の拡大等を通じ4〜5%台の高度成長を達成した。

その後、世界経済の停滞を背景に成長は91年以降急速に減速したが、94年半ば以降景気は上向き基調となった。

97年は、金利引下げによる内需の拡大と輸出の増大等により成長率は3.5%、失業率は6%台となり、インフレ率も2.1%と低下した。

98年も国内需要が持続、個人消費の高い伸び、好調な観光収入と輸出、インフラ整備計画の推進などにより、97年に引続き国内総生産(GDP)の成長が見込まれている。

また、欧州通貨統合には第一陣で参加している。

なお、通貨はエスクード(ESC)を使用している。(99年5月11日現在、1ドル=186.9ESC)

世界銀行の推定によると、1996年のポルトガルの実質国民総生産(GNP)は、1994〜96年の平均価格で算出すると1,009億ドルであり、国民1人当りでは10,160ドルに相当する。

1985〜95年の期間における国民1人当りの実質GNPは、年率3.7%の割合で増加しており、この間における人口は年率0.1%の割合で減少している。

 

 

 

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