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2.3 リグ建造と修繕

リグ建造部門は、海底石油・ガス探鉱業界が上向きに転じ、リグの稼働率が上昇したために、1998年前半には強力な下支えを得た。シンガポールのリグ建造・修繕工場は、ジャックアップ型リグや大水深用半没水型リグの建造でめざましい実績を誇り、世界でも有数の地位を占めている。近年では複雑なFPSOの建造工事も手掛けるようになった。

2.4 造船関連工業

シンガポールでは海事産業の成長から、関連工業が発展し強力な集団を形成するに至った。わが国では航海機器サプライアーから舶用機関メーカー、特殊下請事業に至るまで各種舶用機械工業、さらに船級協会も活発に活動している。

精密加工、機器修理、開放検査などの専門能力も国内企業が身につけ、シンガポールに寄港する船舶にこれらのサービスを提供している。その総合力が海事産業の主要なハブとして、また地域の事業活動を支援するベースとして、シンガポールの地位を一層強固にしている。

3. 将来展望

世界の海事産業において競争が一層激化する状況にかんがみ、シンガポールの業界は新たな課題に対処するために、絶えず自己改革に努めている。国内の各造船所は高付加価値の修繕船、改造船、新造船契約を引き受けるために、能力と生産性の向上を追求している。業界の大手企業は事業の一層の合理化、コスト削減、生産性向上のための統合に着手した。Jurong ShipyardとSembawang Shipyard、Keppel ShipyardとKeppel Hitachiの合併に向けた動きが現在進捗を示している。

シンガポールの造船所の中には、東南アジア地域、中国、さらに遠隔の地域にも進出して海外事業を進めているところがある。これにより一層広範囲の市場に商機を求め、国内の事業活動を補完することが可能になった。

シンガポールはさらに、海事産業における新たな事業分野、技術開発、技術革新のために、海外の企業との提携を常に求めている。

これらの活動を通じて、シンガポールの海事産業は世界の海運・海洋開発業界に高付加価値のサービスを引き続き提供し、海事産業の主要なハブとしての自国の役割をさらに強化する態勢を維持している。

 

 

 

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