3. 作業動作と作業姿勢の解析
3-1 離着岸作業時
3-1-1 乗船調査の方法
◎ 対象作業
乗船調査の対象とした出港時の作業は、船首及び船尾に配置された乗組員(小型船では船長を含む。)が本船を係留していた係船索をビットから外して巻き上げ、また、投錨している場合はその錨を巻き上げ格納する離岸作業である。一方、入港時の作業は、同様に船首及び船尾に配置された乗組員が錨を適宜使用しながら、船首及び船尾から繰り出した係船索を岸壁のビット等に取った後、本船のウインドラス等の係船機で巻き締めながら、岸壁に係留する着岸作業である。
◎ 解析方法
解析方法は、MTM(Method Time Measurement)法を参考として、対象作業の作業動作及び作業姿勢を1秒毎に解析のうえ、次の要素別に分解した。
1) 作業動作
0:移動 1:手待ち 2:余裕 3:手をのばす 4:運ぶ 5:まわす 6:圧してまわす(力を入れてまわす) 7:つかむ 8:合わせる 9:引っ張る……右手 10:引っ張る……左手 11:放つ 12:引き放つ 13:確認 14:のぞき込む 15:両手で引っ張る 16:その他
2) 作業姿勢
1:立位 2:しゃがむ 3:前屈30度 4:前屈60度 5:もたれる 6:その他
◎ 解析の対象者
調査の対象とした出入港作業は、甲板上における離着岸作業である。その作業は、係船機を操作する作業と係船索を取り扱う作業に大別されるが、当解析の対象者は、主として係船索を取り扱う作業に従事する乗組員とした。