2. 船員災害疾病発生状況報告による内航船の出入港作業及び荷役作業時の災害分析
2-1 出入港作業時の災害分析(124件)
1) 船種別
タンカーが37.9%(LPG船を含めると41.1%)、貨物船が28.2%、次いでフェリーの12.9%となる。(図2-1参照)
2) 総トン数別
標準的なタンカー及び貨物船が含まれる300〜699トンが41.1%、100〜299の23.4%、1,000〜2,999トンの10.5%が続いている。(図2-2参照)
3) 年齢別
45歳以上で急増している。45歳以上を集計すると、全体の3分の2(63.7%)、50歳以上では2分の1(46.8%)の災害が発生している。なお、被災者の平均年齢は46.6歳である。(図2-3参照)
一方、加齢による災害と疾病の発生率をみると、体力や機能の低下が顕著となる50歳以上では、40歳未満に比べて2倍の発生率となっている。
4) 所属部別
当然のことながら甲板部が58.9%と多発しており、機関部が23.4%、船長が14.5%である。(図2-4参照)
5) 休業日数別
30〜89日が46%、90日以上が25%、8〜29日が22.6%である。(図2-5参照)
平均休業日数は60.7日、また、90日以上となる重度の被災者は4人に1人発生しており、発生率の高さのみならず重傷の災害が多いことを示している。(表2-1参照)
6) 出港作業及び入港作業別
出港時の作業に比べて時間的にも長く、作業内容も多岐に亘る入港時の災害が2.4倍となっている。(表2-1参照)