1-2 調査・研究の概要
1) 船員災害疾病発生状況報告による内航船の出入港作業及び荷役作業の災害分析
平成9年度(平成9年4月〜平成10年3月)に発生した内航船での出入港作業(124件)及び荷役作業(126件)の災害(休業日数が3日以上)について、船員災害疾病発生状況報告(船員法第111条)集計表及びその原データをもとに分析を行った。
2) 作業動作と作業姿勢の解析
作業の標準を策定するに当たり、陸上の生産現場で用いられている時間研究法(Method Time Measurement)を参考にして、下記の5隻による乗船調査を行い、作業時の動作及び姿勢を細分した要素に分類して要素毎の頻度を算出し解析したものである。
一般貨物船 -鋼材- (617総トン)
石灰石専用船 (10,741総トン)
セメント専用船 (4,952総トン)
RORO船 (7,096総トン)
タンカー (748総トン)
3) 作業マニュアルの作成に当たっての留意事項と参考事項
各社または各船で出入港作業または荷役作業を実施する際の作業の標準となるマニュアル等を作成する場合の留意事項及び参考事項を、1)〜2)の調査・解析等に基づいて取りまとめる。
4) 作業マニュアルの実例
乗船調査を実施した船舶等に備え付けてある作業マニュアル等の一部を例示する。なお、タンカーの荷役作業については、法令及び着桟ターミナルの基準等により各船に普遍的な安全基準やマニュアル等が既に整備されていることから、当報告書への掲載は省略することとした。