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黒潮は北緯35度付近で日本沿岸を離れて東進し、黒潮続流となる。黒潮は離岸後、大きな蛇行路を取ることが多く、しばしば大きな暖水塊・冷水塊を作り出す。黒潮の流量は、毎秒五千万トンにも達し、流軸での流速は250cm/sを超えることがある。

 

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?黒潮、?北赤道海流、?亜熱帯反流、?黒潮反流、?親潮、?津軽海流、?宗谷海流、?リマン海流、?北コリア海流、?東コリア海流、?対馬海流

KF:黒潮前線、OF:親潮前線、W:暖水塊、C:冷水塊

図I-2 日本近海の海流の模式図:

 

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図I-3 本州南方に現れる黒潮の2つの安定流路。

 

親潮は北太平洋の亜寒帯循環の西側南下流部分を構成する海流であり、その流量は黒潮に匹敵すると考えられているが、幅も広く、その及ぶ深さも大きいため、流速は弱く高々50cm/sに達するに過ぎない。親潮は、カムチャッカの東岸沿いに南下する東カムチャッカ海流に源を持つ。この海流の約半分はクリル(千島)列島のクルゼンシュタイン(ムシル)海峡からオホーツク海に入り、非常な水塊変質を受けて、オホーツク水としてブッソル(北ウルップ)海峡から太平洋に出る。このオホーツク水と、直接南下してきた東カムチャッカ海流の水が混ざったものが親潮の水になる。北海道東岸沖を南西に流れ下る親潮は、北緯40度付近で東方に転じて太平洋中央部へと流れ去る。

 

 

 

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