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2.2 訪問調査

2.2.1 訪問調査対象及び手法

海上保安庁水路部(船艇職員経験者)、東京商船大学、横浜ヨット株式会社、佐島マリーナ株式会社、社団法人全国遊漁船業協会(訪問調査順)の5箇所の協力を得て、船舶の所有者あるいは電子海図等のユーザーに対し訪問調査を実施した。

訪問調査に際しては先に実施した「電子海図高度利用に関するアンケート調査」結果及び開発中の海図情報をパソコン画面上に表示するソフトとを持参し、アンケート調査では十分くみ取り難い意見、画面上の海図情報についての意見・要望を伺うものとした。

 

2.2.2 訪問調査結果

海図情報及びその表示等について多くの意見を聴取できたが、当方の海図知識が十分でない点もあり、質疑に対しすでに網羅・収録していた事項もある。表示内容、潮汐・日出没情報、画面表示に関する意見及び本研究の対応は、次のとおりである。

 

イ.表示内容に関して

1)航行禁止区域を表示したほうが良い。(注意を喚起するため赤線で表示する。)

―収録し、表示した。

2)船の航行等において危険物と考えられるものは入れる。

―海図情報の常時表示項目として干出岩、暗岩など収録、表示。

3)使用する船艇の喫水に合わせた等深線の情報が欲しい。

―少なくとも1m毎の等深線を必要とすると考えられる。現状では対応できるデータも極めて限られた海域であり、当面実現が困難と思われる。

4)1m等深線や底質(小型船では錨の鎖が短いので、特に有用。)の情報が欲しい。

―底質は収録可能と思われる。しかしより重要な情報との判別が困難となるので選択表示とする。

5)海流データをインターネット上からダウンロードして表示できるようになると良い。

―平成13年度の検討課題。

6)主要港までの距離表示が欲しい。(航海計画を立てるのに便利なため。)

―画面上での距離計測機能を組み込んだ。

7)航路あるいは航路制限の表示が欲しい。(特に素人は専門的知識に乏しく、また最近の海難の原因には航行禁止区域や航路制限などを犯して発生しているケースが良く見られるから。)

―収録、表示した。

8)小型のヨットでの更なる利便性の向上を考えると、波高や風向・風速といったデータの表示が望まれる。

―NTT船舶電話では、気象データの自動受信・パソコン表示が実現している。沿岸海域では携帯電話を用いた海上気象の受信・表示システムを利用できる時が近い(海上保安庁提供の構想あり)と思われる。

9)魚の図鑑のような情報が欲しい。

―収録することは考えていない。

 

 

 

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