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この地域を調べた結果次のことがわかった。すなわち、ここでは重力データで見ても、水深のデータで見ても狭い海嶺が存在する。しかしそれは、両者のデータで、やや異なる位置に見つかっている。音響測深のデータは調査船ベーマのもので、これは天測によって位置決めして収集されたデータだけである。したがって、この音響測深のデータはここで位置の測定が間違っていると考えられる。それが原因で逆相関が現れたのである。

相関を推定したこの経験にもとづいて、Sを次のように定義した。また、過重の総和が少なくとも10であるようなところでのみSの推定を行うようにした。

その時S=σh/σgとした、但しH0が棄却されるべき信頼値は95%かそれ以上であり且つτが正であるときのみこれを使った。仮にτが負であったり、棄却信頼値が95%より小さい場合は、σhをベースとして推定処理を行っている。仮にσh<50m時には地域Cと類似の状況にあるものと仮定した。即ち、このような地域では、海洋底はほぼ平坦であり、gはhと相関がないので、ここでS=0とおくことになる。

仮にσh>50mでは、次のように仮定した。即ち海洋底が充分起伏があり、これによって、gとhが強い相関を持つものとした、但し、勿論船の航跡データがうまく得られていることがもう一つの条件である。このような点ではSは特定しないままにしてある。

これらのSの値をスミスとヴェッセルの格子化プログラムに入力したが、これは船のデータに関して前に使用したものである。再びそれを使って、gとhに関する格子と同じグリッド網上でS(x)を推定した。結果は図7の上から3番目のパネルに示している。

仮に海洋底の地形が2600〜2800kg/m3とバサルト(火山性の玄武岩)にふさわしい密度である場合には、Sを13-16m/mGalと推定した。この範囲の傾斜は活動中の海嶺系のいくつかで見出されている数値である。アビサール平原では一般的に6m/mGalよりも小さくなっている。このほかの中間的な値は部分的に堆積層に埋もれた場所で形成された巨大な特徴的地域でしめされている。たとえばそれは地域Bのようなところである。

さらに高い値が、極端に地形の変化が激しいたとえば大陸棚の縁(斜面)とか海溝のようなところで見出されている。

 

付録 重力データの最適な下方接続について

下方接続を実施した場合、指数関数的に値が増大するのでそれを安定させるためにハイカットフィルターを適用する必要がある。

ここでカットオフ波長の選定は重要な問題である。あまりにスムーズな形にすると海底地形の構造の細部がぼやけるし、フィルターの掛け方があまりに少ないとノイズによって推定が上手く行かなくなってしまう。この選択は情報に関するウイナーの理論を使って行なうものである。こうしたフィルターは最小自乗法的に最適化されて設計されている。

このカットオフ波長は複数のトラック間のコヒーレンスを計算し、その結果から決められている。

 

 

 

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