2.5 改善方法
今回の実海域評価試験によって、OBS/Hからの地震データを水中音響通信を用い船上で受信することが出来ることを確認できた。しかしながら、通信距離の改善等、今後改善を要する箇所もあることが判明した。
通信距離の改善
今回の実海域評価試験における、音響通信距離検討図では、通信距離は約1,400mと予想される。この通信距離を改善し、2,000mの通信距離を確保するには、約6dBのS/N改善が必要である。このためには以下の3つの方法が考えられる。
(1)送信電力のアップ
消費電力をアップすることにより、バッテリーの消費電力は以下のように大きくなる。
送信電力10Wの時、送信時の消費電力は47W(現状)
送信電力20Wの時、送信時の消費電力は67W─(3dB改善)
送信電力40Wの時、送信時の消費電力は87W─(6dB改善)
従って送信時のバッテリー消費電力から送信可能なデータは以下のようになる。
送信電力10W(4.0A)(現状)の時、最大約300MByte
送信電力20W(5.6A)の時、最大約200MByte
送信電力40W(7.3A)の時、最大約150MByte
尚、リチウム電池をCL-350H2 4個×2 DC12V、620Ah
(2)船側送受波器のつり下げ深さの変更(約30m→100m)─(6dB改善)
このためには、船側送受波器のケーブルを現在の100mから200mに変更すればよいが、船からの送受波器の吊り下げに時間と手間がかかるなどの問題がある。