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漁業について

 

漁業

北海道は北太平洋、オホーツク海及び日本海に囲まれ、沖合には北見大和堆及び武蔵堆があり、大陸棚が北方へ広く展開しています。北海道周辺は寒流と暖流が交錯し、両水系の魚類が豊富に来遊するため極めて恵まれた漁場環境となり、流し網・はえ縄・底引き網・まき網・刺し網などの各種漁業がほぼ周年にわたって行われているので、付近航行船舶は操業漁船の動向及びその漁具などに十分注意する必要があります。

 

サケ・マス流し網及びはえ縄漁業

1 日本海(3〜6月)

猿山岬の南西方から北北東方の宗谷海峡西口西方へ至る北緯37°〜46°間の本州北西岸及び北海道西岸の沖合海域において、30〜50tの漁船によるサケ・マス流し網及びはえ縄(長さ各12km以下)漁業が行われます。

2 津軽海峡(3〜5月)

津軽海峡の南・北側の沿岸海域において、10t未満の漁船による小型サケ・マス流し網(長さ、北側では1,200m、南側では900m以下)漁業が行われます。

3 北太平洋(5月・6月)

北海道の南東方の、東経147°の経度線以東の海域では20t未満、同線以西の海域では10t未満の各漁船により、小型サケ・マス流し網(長さ10km以下)漁業が行われます。特に襟裳岬以東の海域では、漁船が集中して操業するから注意を要します。

各漁網・縄の両端及び中間に標識旗・標識灯が付設されます。

 

イカ釣り漁業(6〜12月)

38°N以北の太平洋海域及び日本海のほぼ全域で行われます。

主な漁場は津軽海峡内、同海峡西口北西方、襟裳岬東方及び神威岬北西方の各海域で、100t未満の漁船により行われます。この漁業の最盛期は7〜10月で、多数の漁船が操業し、夜間操業中は集魚灯を点灯します。

 

サンマ棒受網漁業(8〜10月)

北海道南岸東部及び同北岸沖合で行われます。主な漁場は襟裳岬東方、根室海峡北口付近及び網走湾沖合の各海域で、主として100t未満の漁船により行われます。多数の漁船が操業し、夜間操業中は集魚灯を点灯します。

 

定置網・養殖施設

北海道沿岸の距岸2M(所により6M)以内のいたるところに定置網があり、また、同沿岸諸所の距岸2.5M(所により7M)以内に、コンブ、ワカメ、ノリ及びホタテ貝などの養殖施設があります。養殖施設が設置された沿岸の浅い所や小さい湾などは、水路が狭くなっている所が多いので、このような海域を航行する際には、同海域の地域的な状況を把握しておく必要があります。これらの定置漁網・養殖施設には、おおむね簡易標識が付設されていますが、小型で光力も弱く、状況によっては視認が困難な場合もあるので注意を要します。

 

(備考)定置漁具等の詳細については、次の特殊図を参照してください。

015-1.gif

 

(注意)小型定置漁具(第2種共同漁業)は、その個々の位置が確定していないので図示していません。

 

 

 

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