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「緩和ケアナース養成研修報告書」

 事業名 ホスピスケアナース養成研修
 団体名 日本看護協会 注目度注目度5


患者の望む生活の実現への援助

 

金沢大学医学部附属病院

北川 敦子

 

はじめに

 

私は大学病院で勤務しており、今のところ緩和ケア病棟が設立される見通しはありません。しかし、今回この研修に参加させていただいたのは、私が緩和ケアをしたいという長年の思いからでした。今思うととても恥ずかしいのですが、就職の面接時に、私は「大学病院でできるホスピスをしたい」と言って就職しました。それから7年の月日が経ち、自分のしてきた看護は本当に自分のしたい看護なのか、何か違うのではないかという思いが年々大きく膨れ上がってきました。そのためか、常に自分は箱の中で小さくなっており、自由になれない感覚をもっていました。そして、研修が終わった今、箱の隅から光が少し入り、手足が伸びたような感覚です。私を自由にしてくれた学びについて振り返り、今後のあり方について考えたことを述べます。

 

研修での学び

 

1) 緩和ケアとは

WHOでは「緩和ケアとは、治癒を目指した治療が有効でなくなった患者に対する積極的な全人的ケアである。痛みやその他の症状のコントロール、精神的、社会的、そして霊的(Spiritual Problems)苦情からの解決が最も重要な問題となる。緩和ケアの目標は患者とその家族にとってできる限り可能な最高のQOLを実現することである。末期だけではなく、もっと早い時期の患者に対しても治療と同時に適用すべき点がある」と述べています。今まで緩和ケアは末期になったら行うものという認識が私の中にありました。しかし、それは誤りで、前述のように診断を受けてからすでに始めなければいけないことに気がつきました。どんな時期でも患者さんとその家族にとって最高のQOLを提供することが緩和ケアであり、その根底にはホスピスの語源である「あたたかいもてなし」の精神をもつことが大切です。早い時期からこの考えをもちケアに当たることは、患者さんやその家族との信頼関係の構築に役立ち、いざ末期になった時でも慌てることなく、患者さんらしい生活を維持できることになると考えました。また、前述のWHOでは緩和ケアについて次のように目標を述べています。

1] 生きることを尊重し、誰にも例外なく訪れることとして死に行く過程にも敬意を払う

2] 死を早めることも死を遅らせることにも手を貸さない

3] 痛みのコントロールと同時に、痛み以外の苦しい諸症状のコントロールを行う

4] 心理面のケアや霊的な(Spiritual)の面のケアも行う

5] 死が訪れるまで患者が積極的に生きていけるよう支援する体制をとる

6] 患者が病気に苦しんでいるあいだも、患者と死別したあとも、家族への対処を支援する体制をとる

これは緩和ケアに携わる全ての人がもつべき共通の目標です。今まで私の中で漠然としていた緩和ケアの目標を明確にし、これからの方向性を示すものとなりました。この目標を基に、患者さんが望む生活を可能な限り実現できるように援助することが、緩和ケアナースの役目であると学びました。

 

 

 

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更新日: 2008年11月22日

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