日本財団 図書館


5. フェリー輸送におけるコンテナ貨物の集荷力向上

(1) 現状

神戸港における平成6年のフェリーによるコンテナ輸送は、35千TEU(内航フィーダー輸送の3割程度)であったが、平成7年の阪神・淡路大震災以降は減少傾向にあり、平成10年は16千TEUとなり、震災前の48%の低い水準となっている。

方面別では内航フィーダー貨物と同様に、九州方面の需要低下が顕著であるが、これに加え、四国方面の落ち込みも大きいものとなっている。

この背景には、地方港のコンテナ機能の拡大に加え、明石海峡大橋をはじめとする本四架橋ルートの全てが開通したことにより、フェリー輸送の競争力が相対的に低下したことや、フェリー航路の大幅な再編が進められたことが考えられる。

また、平成12年10月には海上運送法に基づく需給調整規制が原則として廃止されることにより、利用者から見れば多様なサービスの享受が期待される一方で、運賃などさまざまな点での事業者間の自由競争が促進されると考えられるが、神戸港のフェリー貨物を巡る競争は、一層厳しい状況となるものと考えられる。

なお、フェリー貨物の誘致方策の検討にあたっては、フェリーが旅客の重要な輸送手段となっていることも視野に入れながら、検討していく必要がある。

 

(2) 課題

1] 外貨・内貨の一体的集荷機能の強化

・現在、フェリーの集荷活動は、トラック事業者に対して進められているが、コンテナ輸送(シャーシー輸送)をターゲットとした集荷活動は特になされていない状況であり、ある意味では内航フィーダー事業者との棲み分けがなされていた。

・フェリー輸送はいわゆる「海の国道」であり、トラック輸送と密接に関わる部分が大きい。そのため、フェリーの集荷活動を外貿コンテナ貨物に特化して行うのは、かえって非効率な面がある。

・従って、外貿コンテナ貨物におけるフェリー輸送の拡大を図るためには、内貿貨物、外貿貨物を一体的に捉え、モーダルシフトの観点からの取り組みが必要である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION