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はじめに

 

本報告書は、「神戸港における内航フィーダー貨物の誘致に関する調査研究」事業の成果を取りまとめたものである。

近年、アジア近隣諸港の台頭や地方港のコンテナ整備等の進展により、我が国の主要港湾は、その地位を相対的に低下させている。特に神戸港においては、平成7年1月の阪神・淡路大震災の影響を受け、コンテナ貨物の取扱量は伸び悩んでおり、震災前の状態になかなか回復しない厳しい状況となっている。

また、阪神・淡路大震災以降、神戸港を利用する西日本の荷主企業においても、神戸港に依存しない物流ネットワークのあり方や、よりコスト削減を強く意識した物流ネットワークのあり方を模索する動きが顕著なものとなっており、このような企業行動の変化も神戸港の取扱貨物量の回復が遅れているひとつの要因となっている。

しかし、このような神戸港の港勢の低下は、神戸港を事業基盤として港の発展に貢献してきた港湾物流事業の経営にも大きな影響を及ぼすとともに、神戸港の地位の低下を助長するものであり、早急な対策を講じることが喫緊の課題となっている。

そこで本調査研究は、神戸港における内航フィーダー貨物等の実態、利用者ニーズ、港湾物流事業者等の意向を十分踏まえ、神戸港における内航フィーダー貨物等の誘致に向けた課題の抽出と、これを克服するための具体的方策について検討したものである。

本報告書が、神戸港を事業基盤として事業を営む港湾物流事業の活性化の一助となり、また、ひいては取扱貨物量の増大による神戸港の地位の向上に役立てれば幸いである。

おわりに、本調査研究にご指導を賜わった調査研究委員会委員長今井昭夫神戸商船大学教授をはじめ委員の皆様方並びに、アンケート・ヒアリング調査等にご協力を頂いた関係者の皆様方に厚くお礼申し上げる。

 

平成12年3月

財団法人 関西交通経済研究センター

会長 小林 庄一郎

 

 

 

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