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2. 本四架橋インパクト各論

 

ここでは、1.で整理した体系に基づき、それぞれの効果を既存調査報告書等の資料によって裏付ける。

 

(1) 事業効果

本四架橋によるインパクトとして、まず初めに効果が出るのが事業効果である。事業効果とは、本四架橋およびその周辺設備への建設投資によって発生する効果を指す。本四架橋への建設投資は大規模であり、その事業効果も巨大なものであった。

事業効果の内容としては、建設投資による有効需要の創出、建材などの生産額の増加、建設雇用の増加、および、付加価値の増加による所得の増加、税収の増加などが挙げられる。

●瀬戸大橋の建設投資額 約1兆2,000億円

●明石海峡大橋の建設投資額 約5,000億円

 

(2) 直接効果

1] 交通の経済性向上

本四架橋を含む交通基盤整備による本四主要都市間の時間距離は、表2に示すように短縮され、各架橋開通後は大きな時間便益がもたらされている。

●瀬戸大橋による時間短縮効果(昭和62年〜平成7年)

岡山市と四国4都市の時間距離は、瀬戸大橋開通前後において大きく変化しており、短縮された所要時間の割合は約2割〜5割になる。

松山市・高知市と大阪市・神戸市の時間距離は、瀬戸大橋開通前後において大きく変化しており、短縮された所要時間の割合は約3割〜4割になるが、これには瀬戸大橋だけでなく四国内の高速道路の整備も関連している。

高松市と大阪市・神戸市の時間距離は、瀬戸大橋開通前後で約2割短縮されている。

●明石海峡大橋による時間短縮効果(平成7年〜平成11年)

高松市と大阪市・神戸市の時間距離は、明石海峡大橋開通前後で約2割短縮されている。

徳島市と大阪市・神戸市の時間距離は、明石海峡大橋開通前後で約4割短縮されてしいる。

 

表2 本四間における主要都市間の時間距離推移

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単位:分

資料:建設省資料等をベースに計測

計測条件 高速道路:設計速度 一般道路:40km/h

 

 

 

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