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(6) 事業者ヒアリングにみる観光行動の変化

○観光面における明石海峡大橋の開通インパクトは瀬戸大橋と比べて短い

明石海峡大橋開通の観光面へのインパクトは、開通した年の秋までしか持たなかった(旅行代理店)。

瀬戸大橋の時は、開通後3年間は観光需要が大きく、4年目から減少していったが、明石海峡大橋は1年後で前年の半数にまで落ち込んだ(旅行代理店)。

○京阪神→淡路島・徳島、淡路島・徳島→京阪神への観光が手軽になった

明石海峡大橋の開通により、京阪神在住者が淡路島や徳島へ、淡路島・徳島在住者が京阪神へ旅行に行くことが手軽になった(旅行代理店)。

京阪神から阿波踊りへ行くのは、以前は宿泊旅行であったが、開通後は日帰り旅行になった(旅行代理店)。

○淡路島の観光商品レベルが向上

明石海峡大橋の開通により、淡路島の観光商品のレベルが向上した。具体的には、開通前は、「京都、奈良、有馬、北陸(加賀)、城之崎、湯村」より格下の観光地であったが、開通後はこれらと同クラスとして扱えるようになった。商品的には開通前より料金を高くしても客は残る(旅行代理店)。

○淡路島は橋脚になると見ていたが、期待以上に観光地として成長した

明石海峡大橋開通前は、淡路島は単なる橋脚になるかもしれないと思っていたが、淡路島の観光業者が施設のリニューアルでがんばったことなどもあり、観光地として残った。他に、鳴門方面に魅力的な観光地が少ないのも要因の一つである。逆に言えば、鳴門方面でもっと力を入れていれば、観光客をもっと誘致できたはずである(旅行代理店)。

○徳島からの日帰り旅行の質が高くなった

徳島からの日帰り旅行圏としては大きく変化はないが、現地での滞在時間が延びたことと料金が開通前より安くなった効果がある(旅行代理店)。

○徳島から関空ヘバスを使ってアクセス

海外旅行者を中心に徳島県在住者が関空ヘアクセスする場合、明石海峡大橋開通後、高速バスを乗り継ぐ人が出てきた。徳島・関空間の新規路線が新たに開設されると、この利用はもっと増加するだろう(旅行代理店)。

○旅客船・フェリー利用者にとって、明石海峡大橋は観光資源として好評

利用者が大きく減少した旅客船・フェリーであるが、実際に乗船した観光客によると、ライトアップした橋を見ながら大橋をくぐることが非常に好評である(旅行代理店)。

 

 

 

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