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寛仁親王殿下御祝辞

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「第3回大阪国際室内楽コンクール&フェスタ」が、26ヶ国から170有余名の参加を得て、盛大に開催されましたことは、誠に喜びに耐えません。又、本コンクールは、今回から「国際音楽コンクール世界連盟」に加盟が承認され、名実共に格式のあるコンクールとして認められる事になりました。第1回から見守ってきた者として、誠に嬉しく思います。

今一つ特筆すべき事は、過去に受賞された楽団の方々の活躍振りであります。独国のトリオ・ジャン・ポールは1993年度第2部門第1位受賞のあと、メルボルン国際室内楽コンクールでも優勝されました。ブルガリア国のスタンコフ・ラディオノフ・デュオは1993年度フェスタ金賞受賞のあと、デュオによる演奏活動を継続しながら、お二人共ソフィア・フィルハーモニー・オーケストラのコンサートマスターとして活躍されています。

1996年度第1部門第1位の独国のヘンシェル四重奏団は、グランプリコンサートツアーで大成功を修めたあと、日本国内で極めて高い評価を受け、既に7回来日をされています。1996年度第1部門第2位のクヮルテット・エクセルシオは、我が国から参加したすべてのチーム中、最高位受賞の実績通り、国内外で幅広い演奏活動を続けておられます。

この様な実績を着々と積み重ねてきた本コンクールが、「地方の時代」と言われる今、大阪の地に於いて創設され著しい成長をとげているという事実は、大変喜ばしいことであり、就くクラシック音楽の原点とも言うべき「室内楽」の重要性を認識し、我が国に普及定着せしむる為に努力を尽してきた事は、我が国のクラシック音楽にとって大いなる功績といえます。

大阪国際室内楽コンクール&フェスタが益々発展し、国内外にいよいよその地歩を固められ「室内楽」を志す演奏家達の「登龍門」となられん事を心から期待しつつ、ご挨拶といたします。

 

 

 

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