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ですから、学生はAPCSSのサーバーからダウンロードして、それを自分のホテルなりコンドミニアムに持って行って、いろいろ資料を加工するそうです。このあたりは、進んでいるなと思いました。

もちろん、学生には「極秘資料」などは与えませんが、公開情報をもとに「なぜある政策がうまくいかないか」を学生と一緒に議論する。それを、ノンアトリビューション(誰が何を言ったかは外には言わない)、トランスペアレンシー、相互の尊敬(ミューチュアル・リスペクト)の3原則によって徹底的に議論する。これが最大の教育だと言っておりました。

 

12:生徒のレベル:約2割が博士号保持、ランクは大佐以上

 

生徒のレベルが最近は向上していまして、今回のフェローの中では5名がPhD、19名がマスターを持っている。中には大佐より上の将軍ランクが3名入っているということでした。今回の生徒は29名です。ただ、先進国から来ている人たちは中にはシビリアンであったり、現場の経験がない人もいて、ここのセンターでは互いに学び合うというのが建前ですが、勉強だけして帰っていくというケースも多いということでした。

講師には、学者を呼ぶこともあるが、学者は「何であるべきか」というべき論ばかりを話すので、こういうセンターでは扱いに困るという話がありました。

 

13:アメリカには教えるべきポリシーがない

 

アメリカのポリシーについては、先ほど山本さんのが「アメリカの政策をきちんと教えなければだめだ」というお話をされましたが、APCSSでは、きちんと教えていないように思いました。APCSSでは、「アメリカはふらふらしていて、実はポリシーがない」とはっきり言ってました。共和党の人がきいたら激怒するでしょうが、「たとえば、ヨーロッパでうまくいくと他の地域にすぐ適用しようとする傾向があるのがアメリカである。アメリカのポリシーについては文書に書かれたポリシーをインターネットでダウンロードし、読み取りは生徒の自主性にまかせている」といっていましたが、それでは民主党クリントン政権のポリシーしかわからないのではないか。つまり、アメリカにはアジア政策がないということがわかるだけじゃないかとわたしは思いました。

さらに、APCSSでは、「ここに集まっている29ヶ国もポリシーは全く平等の扱いである」と言明していましたが、米国とサモアのポリシーを平等視するのは、いくらなんでもリベラル過ぎると思いました。

 

14:100%セカンド・トラック

 

ラッキーさんは、中国に対しては頭と頭を突き合わすのはよくないので、よく話し合うべきだという意見を述べられました。「100%予算は国防総省から出ているので、実体としてはファースト・トラックですが、やっていることは完全にセカンド・トラックですよ」ということでした。

 

 

 

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