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37:海洋調査船の次には軍艦がやってくる

 

このあたりの海域でやっていることは明らかに地震探査のようなことをやっている。もちろん石油だけではありませんが、主眼は石油だろうということです。もうひとつは宮古と沖縄本島の間の通路の調査をやっている。ここは地震探査というより、水の調査とか海底の調査をやって、船が通るという前提の調査をしています。もう一つは尖閣界隈の調査をやっている。大雑把に分けて、そういうことが言えると思います。南西諸島のかなりの広範な海域で調査が行なわれている。今のところ海域調査であるけれど、南シナ海の例を見てもわかるように、海洋調査船の次には軍艦がやってくる。「そのうち軍艦が出てくるよ」と言っていたら、去年(1999年)になって軍艦が尖閣の北の方に出て来ました。この海洋調査というのも放っておくと、だんだん既成事実ができてしまうから、やるべきことをやり、言うべきことは言わなければ駄目ですよ、と私は言ってきているわけです。

 

38:尖閣沖にやってきた台湾の調査船

 

一昨年非常に注目すべきことは、台湾の調査船がやはり尖閣沖にやってきたということで、当然ですが、台湾としては、尖閣に対する領有権も主張しているわけですし、沖縄は中国のものだという意識があるわけです。領有権の問題は別として、中国が台湾に対する武力行使をするということになったときには、このへんの空域と海域は台湾としては権利を主張しておかなければならないということになってくるわけですね。そういう意味では中国が海洋活動をこの辺でやっている、軍艦もやってくる、ということになると、台湾側もこの辺の海域調査をするということになるわけです。

 

39:空域のこと

 

もうひとつは、空域のことですね。あまりこの辺の空域のことは出てこなくて、私が何回か産経に報道してもらったことがあるのですが、ここが花連(カレン)で、空軍の基地があります。こちらの台北の南の新竹(シンチク)というところにも空軍基地があります。新竹にF16があり、花連にミラージュがあるわけです。私は一昨年、これから前線は沖縄なんだから、沖縄を見に行こうといって学生を連れて行きました。その時に宮古のサイトに行って、学生にサイトを見せた。あと、私だけでいいから、この辺の空域のことについて、差し障りのないところで話を聞かせてくれと頼みました。そこで、宮古でブリーフィングしてもらったのです。そうしたら、花連にミラージュがある。そしてこの狭い空域で、対抗試合をやっているというんですね。空対空ミサイルを発射して、反転していくという訓練をやっていて、ジャミングをしている。ジャミングにしてもかなり程度の高いことをやっているし、ミラージュが配備された前の年にやっているわけですから、非常に早く短期間の間にかなりのレベルのことをやっている。そしてここでやっているとどうしても日本の方に入って来るんですね。領空は侵犯しないけれど、かなり防空識別圏の方には入り込んでやって来ている。ということで、地元の人は大変困りますと言っている。このことは産経がとりあげましたね。

 

 

 

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