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そして技術を共有しながら掘ったんです。それがノルウェーのやり方ですね。

この原油開発会社は100億ドル(一兆円)・オーダーぐらいの資金が求められる産業です。そういうものに対して、もう一度、国際的な提携をしながら、早急に透明性のある原油開発産業を日本で立ち上げる。これをやらないと、牽制球にならないと思います。

もうひとつは地域的なことです。例えば世界中どこからでも買ってこられる、持ってこられるということを沖縄でやれば、相手側も50万トンバースなどを造ってくるでしょう。東西格差もなくなります。将来的に原油開発会社が立ち上がったら、世界中どこからでも日本に届けられる低廉な単価コストにしていくということではないかなと考えております。

 

35:もし5000億円あったら原油開発技術の集積をやるべし

 

加藤 もし5000億円あったら?いま曽我さんがおっしゃったオプションのどれに使いますか。

曽我 私は「1] 原油開発技術の集積」のほうをやりたいんです。そして、もし、原油が10ドルぐらいでなんとか推移しているんだったら、私は「2] 沖縄活用原油物流効率化」の方へ行きます。要するに、どんどん原油が安くなる方向に今でもあるならば、2] のほうをとりあえずやりたいと思います。

加藤 1] のほうは絶対的な……。

曽我 そうです。原油開発会社は和製メジャーですね。これがたまたまノルウェーという先生がなければ、私も「日本はだめかな」と思いましたけれども、ノルウェーができて、なんで日本はできないか。

十市 それは石油資源が自国の足下にたくさんあったから...。

曽我 でも石油資源は買うことができます。日本は、お金があるんだからその鉱区を買って、そこにどこかのメジャーを連れてきて掘ってくれといえばいいんです。

 

36:技術を開放する

 

大越 お金があるといっても相手が有望だというものをそんなに簡単に手渡してくれるんですか。日本はエネルギー公団も莫大な金額を使って、ものにならない油井しか発見できなかったんですから。

曽我 結構出ているんです。インドネシアのが今朝出ていたのがひとつの例です。いろいろな技術を、トタールだとかいろいろなところとやっています。それを一箇所に全部集めて技術会社かなにかをこさえる。そういう体制が必要だと思います。そしてその技術を開放するのです。

 

37:一緒に仕事をして頼られる存在になること

 

加藤 金を払ったら技術を教えるものですか。

 

 

 

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