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一番根本にある問題は、国家を考えるとき、国防、安全保障を考えなければならないということです。憲法調査会の動きひとつをみても、国民のあいだにも、これを求める声が最近は高まってきています。

 

72:気になるロシアのソブレメンヌイ級駆逐艦対中輸出

 

次に、気になることをちょっと申します。じつは昨日、アメリカの友人が、ロシアが中国へ輸出したソブレメンヌイ級駆逐艦のミサイル発射試験の写真を8枚、インターネットで送ってきました。ソ連の駆逐艦が輸出されて、ついに上海についたというのです。「日本にとっては脅威だろうね」と言うのが、へリテージ財団にいる友人からのコメントでした。これは、中国とロシアが、コンチネンタル・バリューで結合しつつあるということです。

これに対して、日本、NATO、アメリカなどのマリタイム・バリューという価値観を共有する国家が連合しないと太刀打ちできないと思います。マリタイム・バリューは、海洋文明、海洋法体系という言葉で置き換えてもいい。

そこでまたちょっと気になりますのが、韓国がロシアのK型潜水艦を3隻輸入したことです。これは、ロシアに対する過剰債務の見返りですが、これで韓国はドイツから6隻とロシアから3隻、計9隻を保有し、潜水艦王国になる。韓国とロシアの武器のつながりができてきている。韓・中・ロシアという大陸国家連合が、日本に対する戦略的パートナーシップで結ばれる構図が、まごまごしていると出てくるかも知れない。

 

岡崎 ソヴレメンヌイの話、どなたかご存じですか。

平松 私はその話が出た日にどこかの雑誌に書いたんですけれども、これまた自衛隊の人から怒られるかも知れません。私は「もしソヴレメンヌイが出てきたら、おそらく、自衛隊はミサイルの射程以内には近づくなと多分言うだろうが、そうならないことを望む」と書いたことがあります。

平間 ミサイルが飛んでいる写真を見ると羽を持っています。ミサイルとして旧式です。

山本 平松先生、ソヴレメンヌイだけでは、射程距離が何十マイルあってもミサイルは撃てません。あれ自身のセンサーは20〜30マイルです。航空機が組み合わさったときに初めて力を発揮するのです。ソヴレメンヌイのミサイルを過剰評価することはない。

 

73:沖縄の視点から:シンクタンクを沖縄に

 

川村 では、恵さんどうぞ。

恵 沖縄から参加させていただいている恵です。今日は平松先生ありがとうございました。1年間の研究委員会のファイナル・ステージにおいて、初めて日本人としてどうあるべきかという意識を植え付けられたような感じがして、非常に感銘を受けながら聞いておりました。

 

 

 

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