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冊子冒頭の「早分かり編(シンポジウム)」について

 

詳しい報告は、この冊子の冒頭に掲載しました「うみのシンポジウム」の記録をまずお読みいただければと思います。このシンポジウムは3年間の研究がすべて終了した後に、各分野の専門家だけでなくマスコミ・評論家の皆様をお招きして、私たちが学んだことを、全部吐き出してみたものです。50頁ほどになりますが、あらゆる発見が報告されている。50頁は、この1年間に実施された7名の専門家のお話の要約にもなっている。さらに、各委員からの提言も収められている。この「うみのシンポジウム」は、いわゆる「エグゼキュティブ・サマリー」(忙しい方のための早分かり編)になっていますが、全部口語体で読みやすく書かれているところがミソです。さっと読んで、きわめて大量の良質の情報に触れていただくことができる。そして、このシンポジウムは上野駅のようなもので、そこから皆様は、「海洋法」「資源」「環境」「安全保障」など、お好きな方角に旅に出ていただくことができる。

 

7名の講師による分野別入門編

 

そこで、この冊子の大半を占める研究会議事録についてご説明いたします。

本年度の研究会では、7名の世界的に著名な専門家をお招きして勉強会をさせていただきましたが、講師1名に生徒5、6名というスタイルの贅沢な勉強会を設計したのです。授業がはじまりますと、先生が1時間の講義をして、1時間目が終わります。2時間目には、生徒が質問し先生が答えるという討論が行われました。1回2時間で、読みきりのスーパースター・ティチャー・レクチャーシリーズが7回開かれました。その全記録を皆様はここにお読みいただけるわけです。話し言葉は、書き言葉の5倍から10倍の速度で読むことができますし、この記録はやさしく話しかける口調でつづられていますので、皆様は2時間の講義を10分の1の時間でお楽しみいただけると思います。

実は講義と討論には、あらかじめ完全録音により速記録がつくられる仕掛けになっていたのです。この講義録は日本財団ホームページの事業ライブラリーに全文掲載されますので、おそらく1万人以上の方に読んでいただけると思います。3 つまり、その日の講義室には生徒が5人しか座っていなくても、バーチャルには1万人の聴衆を前に講義したのと同じことになるわけです。このあたりに、インターネット時代の面白さがあるのかも知れません。

 

3 「うみのバイブル」シリーズの報告書「第1巻」には、初年度1年間だけで2000件のアクセスがありました。5年で1万件という計算になります。この「第1巻」は、内容がかなり硬い上に、シリーズものとして名前が定着していなかったこと、さらにインターネットの今後の普及拡大を考慮しますと、この「第6巻」について、5年で1万件のヒットという予想はあながち大胆とはいえないと思います。

 

 

 

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